組積造の動物病院
「組積造の動物病院」
大動物(牛・馬)の往診とともに小動物の一般診療をおこなう獣医師が、ひとりで営む動物病院。
ゆったりとした地域に位置し、まわりの方々との近い関係性のなかで、ペットを連れた飼い主はもちろん、下校途中の小学生が獣医師の大切に育てる亀を見にふらりと入ってくることもある。
その亀を放して飼育できるように計画した中庭を囲んで、4つのコンクリートブロック造(以下CB造)の箱を配置した。
そのCB造の箱の上を覆うように屋根を掛け、箱と箱の間を待合室や診察室・手術室・休憩室として利用する。
またCB造の箱自体は、遮音性やX線防護の性能を利用して 入院室やレントゲン室として利用する。
獣医師ひとりで診察や手術はもちろん受付などもこなす必要があるため、どの部屋にいても中庭越しに他の部屋の状況を把握し対応できるように構成されたワンオペ対応のプランになっている。
手術中に待合室に入ってきた飼い主にはアイコンタクトで状況を伝え、獣医師の手があくまで待合室で待ってもらう。
そんなゆったりとした空間が生まれる、地域のなかにどっしりと腰を据えた動物病院になっていれば嬉しい。